君のことを想いながら

ヨク

「…あいつだろ??
ユルの泉で生まれたっていう
天才様はよ」


「マオ様に近いって言われてるらしいから、今から取り入ったら出世もラクなんじゃない??」


遠巻きから聞こえる、僕の話。


一体、
どこから話がもれたんだ。


僕は聞こえないフリをする


今日は、養成所の入所式だ。


初めて新入生同士が顔を合わす日。


僕はこんなとこへは、来たくはなかったのに。


僕が、ユルの泉で生まれたというだけで遠巻きに見られるこんな場所へは…。


でも、入ることが義務だ。


生まれてから三年経ったら、
半年間必ず入らなければ
いけない。


だから、嫌でも仕方がない。


僕は…
ここに生まれてしまったのだから…。


生まれた瞬間から、僕の運命は決まっていた。


死神になる。と…。


「…あの…ユルの泉で生まれたんですよね…??」


遠くで僕の話をしていた子が話しかけてきた。


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