君のことを想いながら
「これから、人間界に下ります。下りたら配られた数珠の珠の空いているところに、人間の《不幸》を閉じ込めてきて下さい。」


閉じ込める…??


僕は穴を覗いてみたり、数珠を腕に巻いたり、遊んでいた


「《不幸》とは、人間が持つ醜い感情です。
黒いもやのようなもので、ほとんどの人間が持っているものです。

その感情を、珠に閉じ込めることによって特殊な能力を発動させたり、編み出すことができるのです。」


嫌な話だ…


醜い生き物の醜い感情をエネルギーにするとは…

ジャラ…


僕は数珠を握りしめた


「レイ。行くよ。」


ヨクに呼ばれた


「ああ…うん。」


僕たちは、人間界へ下りた


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