君のことを想いながら
《不幸》を吸収することで、 この手が汚れていくかもしれない…


頭の中に複雑な感情が生まれる


何かを守りたいような、壊したいような…


ヒュンッ


「うわっ!!」


手から、赤いものが飛び出し僕の髪にこすれた


「な…なに!?レイすごい!!」


ヨクが僕を目を見開いて見た


「わ…わからないけど…急に飛び出してきた…」

僕は髪に触れる


少し縮れてこげていた


「きっと、能力値が高いんだよ!!《不幸》なしでも、発動できるんだ。やるね。」


ヨクは右手の親指をたててウインクした


「そうなのかな??」


僕は手をもう一度見た


いつもと変わらない手だった


「ようし!!とりあえず、実習だあ!!気分は乗らないけれど…」


確かに、気分は乗らないな…


僕とヨクは、翼を広げ飛んだ


人間のそばまで。
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