君のことを想いながら
「じゃあ…失礼いたします。」


ヨクは、一人の人間に珠を向けた。


人間からは、黒いもやが出ている。


「うわっ。こうやって、集まるんだ。もやが吸い込まれていってる…。」

ヨクは、驚きながら言った


僕はその様子を、ただただ凝視していた。


「ふぅ。こんな感じかな??レイは、しないの?この場所なら、簡単に集まるよ。」


僕は数珠を見た。


「やめておくよ。」


正直、僕は《不幸》を使わずに発動できることを嬉しく思っている。


だけど、発動できるのはきっとユルの泉で生まれたから。


そう思うと、何だか罪悪感が生まれた。


「そう。私は、いいけど怒られるよ??一応、実習だし。それに、この《不幸》がないと仕事にならないよ。」


「………。そうだろうけど。今は、いいよ。やめておく。」


「んー…。わかった…。」
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