君のことを想いながら
ヨクはただ一点を見つめていた。


「ヨク…??」


小さくつぶやいた。


ヨクの視線の先を見た。

人間の男と女がベンチに腰掛けていた


あれを見ているのかな…?


「ヨク!!」


僕は叫んだ


「あっ!レイ。」


「ヨク、もう行くよ。ほら。」


僕はヨクのそばまでいき手を掴んだ


「…っ。そだね。ごめんごめん。」


僕とヨクは、どうにか集合時間に間に合った


けど、僕は先生に呼び出されてしまった


当然と言えば当然だけれど…


僕は《不幸》を集めなかったのだから。


コンコン。


呼び出された部屋の扉をたたいた


「レイです」


「入りなさい」


部屋から声が聞こえてきた


「失礼します」


中で先生がいすに座っていた


先生はいすを指さし僕に座るよう促した


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