君のことを想いながら

変化

「ちょっと!!君はこっち。」


僕は叫んだ


「少しだけ…。」


中年くらいの男性が、悲しそうに話す


「ダメです。はい。大人しくこっちに来て下さい。」


「わかりました…。」


男は、僕の指示通りにした


ふぅ…

よかった。

物分かりよくて。


さっきの男は、死者だ

だけど、自分のこどもともう一度話をしたかったのか接触を試みようとしていた

まあ…気持ちは分からないわけではない

だけど、これが僕の仕事

この仕事にもだいぶ慣れてきて今のところは特殊能力は使わずに済んでいる


「なんか…やな仕事だなぁ…ただ…逢いたいだけなのにな…」


思わず呟いた


この仕事は、体力だけでなく精神も疲れる


死者が、僕にすがるように悲しい瞳で見てくるからだ


「人間は可哀相だ…醜い上に哀しいなんて…」


僕は仕事を終え寮へと帰った
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