君のことを想いながら
今日は仕事は休みだったから、僕は泉へ来ていた

「ここが、ふるさとか…。懐かしいのかな…??」


パチャ…


泉の水を掬った


「もし、僕が泡になっても同じ僕になれるかな??」


クスリと笑い水に問い掛ける


水はただ手から零れていった


「答えは決まっているか??」


僕は、ふっと笑いある場所へ向かった


ヨクの生まれたソエルの泉…


コポ…コポ…


静かに泉のあちこちから水が湧出している


「ここが…ソエルの泉…ユルと変わりないな…」

僕はしゃがみ込み泉の中を覗いた


何もなくて透き通っていた


「…っ…ふっ…うっうう…っ…っ…」


???


突然すすり泣く声が聞こえてきた


「誰か…いるの…??」

僕はポツリと呟いた


泉のそばに立つ大木


その後ろから声が返ってきた


「レっ…レイ…??」


弱々しい声で返ってきた

僕は大木の後ろへまわった


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