君のことを想いながら
それから僕達は、あの泉で誰にもバレないように二人で逢うようになった

逢う度に唇を重ねて、触れ合った


罪の意識を感じながらも止められなかった


もし…バレたら、泡になる


掟に背く者は例外などなく泡になってしまう


頭では分かっていた


分かっていたのに、止める術を知らなかった


今日もまたヨクと泉で罪を冒す

「仕事、どう??」


「ん~。普通。変わりないよ。」


僕の隣にいるヨクが笑顔で話しかけてきた


愛しい…


「そっかぁ。私もね、普通だよ。あははっ。ねっ。覚えてる?初めて人間界に下りたと…。」


僕はヨクに静かにキスをする


ヨクは僕をいつも受け入れてくれる


「もうっ。話の途中だったのに。」


口をとがらせて怒っているヨクが可愛いくて僕は微笑んだ


本当に…愛しくて、愛おしい

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