君のことを想いながら
「でね。覚えてる??」

「うん。覚えてるよ。」

「あの日の帰り、私公園にいたでしょ??」


「ああ~。あのときは、迷子になったのかと思ったよ。」


僕はヨクの頭をポンっとたたく


「もう!迷子じゃないもんっ。
あのときね、人間の恋人を見ていたの。すごかったぁ…。」


ヨクは目を輝かせて話す

「あ~んなに醜い感情を出すくせにね。
その二人の回りには、そんなものなんか、なくって綺麗なものに包まれてた。
ずるいなぁって、許されてるんだなぁって思った。」


「羨ましいな。僕も…人間に生まれたかった…ヨクと一緒に…。」


僕はヨクを見つめる


二人で見つめ合ってまた、キスをした


ガサッ


「えっ…!?誰かいるの…!!」


僕たちは音がした茂みの方を向いた


「ジル…」


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