君のことを想いながら
「嘘ではない。所詮、想いとは…その程度。我々はそれを知って生まれたはずだ。綺麗事を抜かす人間とは違う。さあ…帰るぞ。」


マオ様が、俺の前で不気味に笑った


「お前の居場所はここじゃない。お前は死神で人間ではない。そして、王を継ぐ可能性さえあるのなら尚更だ。トウヤ、レイを連れて来なさい。」


「レイ…行かな…で…」

サキの消えそうな声が聞こえる


トウヤは、おろおろしながら俺の腕を掴んだ


俺はその手を振りほどいた


「レイ。逆らうのか?お前もヨクのようになりたいのか??」


頭の中でどうしようもない感情が沸き上がる


頭の中でヨクの笑顔が何度も何度も繰り返される

溢れ出す何かが、身体中が熱い…


「………。」


「トウヤ、気絶させてでも連れて来なさい。」


再び、トウヤに腕を握られた


「…るな…!!」


「え…??」
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