君のことを想いながら
バチッ…


俺の首にかかっている数珠が切れた


「レイ!!落ち着いて…くっ…っ…」


熱い!!


全ての《不幸》が、俺の感情と絡み付き力が溢れる


感情と力が抑えられない

「なっ…レイ…まさか…これ程のエネルギーを…」


『消えてしまえ!!』


バンッ!!


鼓膜を破るくらいの大きな爆発音がすると同時に俺の中の力が弱くなった


「レ…レ…レイ…。」


トウヤが俺に声をかけた

目の前には、真空状態になった空間だった


そこにマオ様の姿はない

「トウヤ…。俺…マオ様を…??」


「……………。」


トウヤは無言で頷いた


俺は、王を殺してしまったのか…??


サキの両親だけでなく…

「…また…罪を…」


犯してしまった…


「…ごめんなさい…」


誰に向けて謝ったわけではなく、ぽつりと呟いた

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