君のことを想いながら
ふと思い出した言葉。


養成所の先生に言われた《感情によって発動》するという言葉だった。


俺はガキで…コントロールなんてできなかった…

胸にぽっかり穴があいたような虚しさが残った


「…っ…っ…ぅっ…」


サキが身体を震わせて泣いている


「サキ…」


俺は手を伸ばした


「…やっ…」


サキは目をきつく閉じて、俺を拒絶した


俺はサキから手をひいた

「…ごめんな。怖かったよな…」


「トウヤ…。俺、帰るよ。死神界に。」


「レイ…。分かりました。」


歪んだ空間がトウヤによって再び開いた


「大丈夫ですか??力の放出で体力が消耗している。」


俺の身体がトウヤによって支えられる形になった

俺は、トウヤの肩に手を回した


「じゃあな…。怖がらせて悪かった…。頑張って…生きろ…。両親のこと…悪かったな…」


そうサキに言い残して、死神界に帰った

< 157 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop