君のことを想いながら


車のドアを閉めて、エンジンをかけた。


「…サキ…笑顔だったわ…」


涙を流す母親。



俺は、実行に移した。


すでに、ショウは始まっている。


もう、止められない。


頭には、思い描くシナリオ。
そして…サキの笑顔。


汚れてしまえ!!


汚れてしまえ!!


汚れてしまえ!!


頭の中のサキは笑っている。


その笑顔が…

……………っ。


俺は特殊能力を使う。


なんの為に死神に
こんな能力があるのかは
知らない。


俺は、手をすいっと動かす。


その直後、


ブルンッブロロッ


一台の車がエンジントラブルを起こした。


「ふはははっ。」


俺は声を出して笑う。


車内にいる二人は、あわてふためいている。

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