君のことを想いながら
病院の上空に着いた。


俺はサキの病室を探す。


上空からじゃ、部屋の中は見えない。


俺は、病院の中へ入っていく。


いくつもの壁を、通り抜けていき部屋を確認していく。


サキの部屋…、


サキの部屋…、


何番目かに抜けた部屋にサキはいた。


相変わらず笑顔で、他の入院患者と話をしている。


なんだ…。


笑ってるじゃないか。


なぜか
サキの笑顔に安心した。


両親は死んでない。


でなければ、あんなに笑えるはずがない。


そう確信した。


「…可哀相に…。」


耳に入ってきた看護師たちの会話。


「…サキちゃんのご両親…交通事故で亡くなったらしいわよ…。」


「サキちゃん…一人で…病気と闘っているのね…。」


「辛いのに、そんな顔一つもしないで…。運命は…残酷ね…。」


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