君のことを想いながら
あの時の俺は…
人間でも…
死神でもなかった…。


ただの、醜い化け物だ…。


自分のしたことに後悔をした。

今までたくさんの人を不幸に陥れてきたが後悔なんてしたことなかった。


なのに、今は後悔している。


人を殺したからなのか…??


サキがいつも笑っているからなのか…??


俺はサキを見る。


今も綺麗な空気を纏っている。

憎しみすら生まれないのか??

両親を死に導いたのは、俺でも車を運転していた奴らを憎いと思わないのか…??


「…………っ。」


また…涙が流れた。


まだ…憎しみという醜い感情を向けられた方が、楽だった。


俺のした許されない行為を責めてくれた方が、償いになるようなそんな気がしていた。
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