君のことを想いながら
「…仕事…しに行くか…」


俺は黒い布を纏った。


黒い布は自分を戒めるために
纏う。


俺が何にも染まりはしないために。

だから本当は、
纏う必要なんてないものだ。


そして
首には数珠のようなもの
をかけた。


ふと数珠を見る。


「あと…3つか…」


数珠は100の珠がつないである


珠の真ん中には穴があいていて、そのうちの3つの穴だけが空いている。


「…俺、悪いやつだな…」


ふっ、と笑った。


バサッ―


俺の背中から黒い翼。


全身が闇色に。


まるで俺の心のようだ。


翼を広げ、飛んだ。
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