君のことを想いながら
「……??…見えるよ?これ…本物…??」


翼を撫でるように触っている。

俺は声が出ない。


「……………。」


俺は目を見開いてサキを見る。

「…不審者…、看護師さん呼ぼうかな…??」


サキはナースコールのボタンを手にとり力を入れようとする。

「あ!!おいっ!!呼んでも見えねぇぞ!!」


俺は、小さく叫ぶとサキのナースコールを取り上げる。


「…ふふっ…。じゃあ、…本物ね??」


「………あ…。」


「私を迎えに来たんでしょ??」


「違う…。」


「違う??…じゃあ…あなたは…何なのかな??」


見透かすような目で俺を見る。

「…死神…」


唇を動かさずに静かに言った。


「…!?…死神…??変なの…。死神なのに鎌持ってないんだね…。」


サキはクスクス笑ってる。


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