君のことを想いながら
「わりぃ…べつ…に」


「いいよ。」


俺の言葉を遮断して、力強く放った言葉。


「…そうだね…。レイは…知らないんだ…ね…。てっきり、知ってると思ってたなぁ…。死神なんだし…。」


「…あ………。」


言葉にならない。


「…んー…、私ね、小さい頃からここ…ここが弱かったんだ…」


サキは、俺の左胸を指した。


「…心臓…か?」


「うん…。10年生きられないって…言われてたのにね…。私、それに…7年も足して生きちゃった…。」


舌を出して笑う。


「…すげぇな。治るんだろ…??」


「……。」


サキは首を左右に振る。


つまり、《治らない》ということか…?


「…聞いたんだよね~。一ヶ月くらい前かな??おしゃべりな看護師さんたちがね…っ…」


サキは涙を流す顔を覆う。


一ヶ月前…といえば、
ちょうど、俺と出会ったくらいだ。


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