君のことを想いながら
俺は、この話をするか悩んだ。

けど、サキになら話をしてもいいと思った。


知って欲しいような、そんな気持ちだった。


「俺は、本当は死神じゃないんだ。」


どう言ったらいいかわからなかった。


サキは突然の発言に驚いて口を開けている。


「え??」


「俺は死神じゃないんだ。」


もう一度言う。


「じゃあ…何なの??」


「人間。」


「人間??またまた~、冗談でしょ?だって、看護師さんたち見えてないもん。あ、見えないフリでもしてるの??」


「…そうじゃなくて…。」


「…うん??」


「…人間だったけど、いろいろあって死神になったんだ。」


「……??どうして死神になったの??」


目を丸くしてサキは聞いてきた。


俺の頭の中には、またあの事故の映像が流れ始める。


息が苦しくなり、体中から汗が流れる。


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