君のことを想いながら
上空から見下ろす地上は
酷く汚れている。


死神になって見下ろす地上は
哀しいものに見えた。


俺は魂-タマ-を97も集めるために人を不幸にすることもあった。

その度に人は面白い程に
シナリオ通りに動いた。


『どうしてアイツが…ッ』


『奴に死の制裁を…!』


きっかけさえ与えれば…。

そう、人は簡単な生き物だ。


今までに俺は、憂さ晴らし、
いや、満たされない心を
隠すように手を汚した。


今更、人間の情なんてかけていられない。


「仕事…疲れる…
不幸だらけでも、一つに絞るのは楽じゃないな…」


その時だった。


俺の目に止まったのは
一人の少年だった。


机に向かい何かを
しているようだ。


「仕事…みっけ…」


不気味に笑い、
少年の元へと飛ぶ。


< 8 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop