君のことを想いながら
「はぁ…っ…はぁはぁ…」


苦しい。


まだ癒えない…傷…。


人の死はやすやすと越えられるものじゃない。


「ちょっ…と、レイ…!?大丈夫なの!!」


「…っはぁ…だ、大丈夫だ…。」


俺は、息を飲み込んでサキに言う。


「本当に!?もう…。ごめんね…。聞いちゃいけないこと…」


サキは俯いて涙目になっていた。


「…いや、サキが悪いわけじゃない…俺だ。かっこわりぃ…」


「かっこわるくないよ。きっと辛いことがあったんだよね。なのに、私に話そうとしてくれた。それって、すごく勇気のいることだと思うな。私は。嬉しいよ。」


サキはにこっと笑った。


「…サキ…」


俺の心にまた温かさが広がっていく。


心地いい優しい時間が、このまま続けばいいと思った。


「ムリに話さないでいいよ。ごめんね…。あ、じゃあ私の秘密を教えてあげる。」


サキはパンッと手を叩いた。


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