君のことを想いながら
「秘密??」


「うん。秘密。」


唇をとがらしてサキはそっと言う。


「秘密っていうのかな??でも、これはお母さんも知らないことだから…秘密かなっ。
私だけしか知らないことだから。」


「秘密なのに、俺に言っていいのか??」


秘密だったら、言いたくないものだろう―??


「うん!!レイならいいよ!!」


サキは笑う。


そして、話出した。


「私ね、毎日毎日神様にお願いしてるんだ。」


ああ―…


そういえば、毎日何か祈っていたな。


「何を??」


「んー。明日も目が覚めますように。って。」


サキは困ったように笑った。


「私ね、明日も笑えますように。とか、お母さんになれますように。とか。そんなことを祈ってるの。
みんなが幸せでいられますように。なんて祈れなかった。
自分のことばっかり…。嫌な子なの…」


俺は、その願いを聞いてサキが嫌な奴だとは思わなかった。


別に普通だと思った。


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