暖簾 のれん
突然、マレー系の男と日本人の女のカップルが店に入って来た。
ペイレイとフォンの眉間にシワが寄った。
(どうしてなんだろう???)
そのカップルは人目も気にせずイチャイチャしている。
マレー系の男は何だか汚いランニングに膝までの破れたGパン。
安物のビーチサンダルを履いていたが、腕時計はブランド物で何だかそこだけが変に浮いていた。
(彼女にもらった物なんだろうな・・・。)と微笑ましく見ていた時だ。
やはりマレー系の年配の男性がドカドカ2人のテーブルに近寄ってきた。
2人とも年配で白い帽子をかぶっている。
2人は大声でそのカップルに何かを叫ぶと乱暴に男の腕を掴んで連れて行ってしまった。
残された女は何が何だか分からない様子だったが、男が戻ってこないのを確認するとビール代を払ってしょんぼりと出て行った。
???
何がどうして悪いのか分からないまま呆然としているとフォンが言った。
「あの白い帽子の人たちは『ハジ』って呼ばれていて、宗教警察のようなものかなぁ?なんて言ったらいいのか分からないけど、とにかくイスラム教の指導者たちだよ。」
ペイレイが小さなため息をついて言った。
「つまりね、イスラム教の男が異教徒とイチャイチャし、しかも公衆の場で堂々とお酒を飲むなんてありえないって言いたいのよ。」
私は驚いた。
「えぇ??!それだけで捕まったの??」
フォンがぐぐ~っとビールを飲み干して言った。
「マレーの田舎ではまだ映画館の男女の入り口と座る場所が離れているんだぜ。イスラム教の男が4人まで奥さんをもらえるのは浮気を許さないため。浮気をするくらいなら結婚しちまえってこと。生まれた子供は自動的にイスラム教。ご存知の通り豚肉・アルコールはご法度だけど、他にもたくさん決まりがあるんだ。」
「へぇ。奥が深いんだね。」
「でもミサコ。今ペナン島で問題になっているのはこのマレー系のビーチボーイと日本人カップル。ミサコが日本人なので言いにくいんだけど、あちこちで問題が起こっているよ。『知らなかった』では済まされないのでミサコも気をつけなよ。」
私はうなづいた。
ペイレイとフォンの眉間にシワが寄った。
(どうしてなんだろう???)
そのカップルは人目も気にせずイチャイチャしている。
マレー系の男は何だか汚いランニングに膝までの破れたGパン。
安物のビーチサンダルを履いていたが、腕時計はブランド物で何だかそこだけが変に浮いていた。
(彼女にもらった物なんだろうな・・・。)と微笑ましく見ていた時だ。
やはりマレー系の年配の男性がドカドカ2人のテーブルに近寄ってきた。
2人とも年配で白い帽子をかぶっている。
2人は大声でそのカップルに何かを叫ぶと乱暴に男の腕を掴んで連れて行ってしまった。
残された女は何が何だか分からない様子だったが、男が戻ってこないのを確認するとビール代を払ってしょんぼりと出て行った。
???
何がどうして悪いのか分からないまま呆然としているとフォンが言った。
「あの白い帽子の人たちは『ハジ』って呼ばれていて、宗教警察のようなものかなぁ?なんて言ったらいいのか分からないけど、とにかくイスラム教の指導者たちだよ。」
ペイレイが小さなため息をついて言った。
「つまりね、イスラム教の男が異教徒とイチャイチャし、しかも公衆の場で堂々とお酒を飲むなんてありえないって言いたいのよ。」
私は驚いた。
「えぇ??!それだけで捕まったの??」
フォンがぐぐ~っとビールを飲み干して言った。
「マレーの田舎ではまだ映画館の男女の入り口と座る場所が離れているんだぜ。イスラム教の男が4人まで奥さんをもらえるのは浮気を許さないため。浮気をするくらいなら結婚しちまえってこと。生まれた子供は自動的にイスラム教。ご存知の通り豚肉・アルコールはご法度だけど、他にもたくさん決まりがあるんだ。」
「へぇ。奥が深いんだね。」
「でもミサコ。今ペナン島で問題になっているのはこのマレー系のビーチボーイと日本人カップル。ミサコが日本人なので言いにくいんだけど、あちこちで問題が起こっているよ。『知らなかった』では済まされないのでミサコも気をつけなよ。」
私はうなづいた。