暖簾 のれん
ジェフリーは私の好みも聞かずに勝手に色々注文していた。
(牡蠣は食べれないんだけどな・・・)

フレッシュ・オレンジジュースを飲みながら思ったが言えなかった。

「ごめん、勝手に頼んじゃったけど。」
「大丈夫よ。」
「ロブスターがすごく美味いんだ。」
(やった~!ラッキ~~♪)

他にも色々とシーフードが出てきたが、幸いにも牡蠣は出て来なかった。

お腹がはち切れそうなほど食べてしまったが、胃がポッコリ出てきていないか心配なほどだった。

ジェフリーは色々と自分の話をしている。

でも・・・・

何だろう??

今朝までのドキドキはどこかに行ってしまっていて、アイドル歌手をTVで見ているような気分になってきた。

レストランを出た私たちは、やはりそう遠くない海辺のカフェへ行った。
そこでもジェフリーは顔が知れているらしく、数人に私を紹介した。


私は少しずつ察してきた。

(この人は『私』を連れ歩きたいんじゃない。『日本人』を連れ歩きたいのね。)

この島では日本人を連れて歩くのがステータスなのか?

まぁいい。数日前のマレー系の男性のようにハジに連れて行かれるような事はないだろうから。

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