Best friend
話し終えたころには、佐恵のお母さんは泣いていた。
病気…………
佐恵が………?
「で、でも…治りますよね?」
本当は分かっていた。
きっと佐恵のお母さんが言う病気は、治る病気なんかじゃないって。
私が思ってた通り、佐恵のお母さんは首を横にふった。
「そうなんですか……」
佐恵?
そんなに辛かったんだ。
何も気づけなくてごめんね。
辛いのに何回も電話したり、家に来たりしてごめんね。
ごめん…私には助けるなんてとても無理だよ……
なのに、話したら楽になる だなんて言ってホントごめん。
辛くなるだけだよね。
私何も考えずに、佐恵の気持ちも知らずに勝手なことばかり言って……
私、佐恵の友達でいる資格ないかも……
「ごめんなさい。私、佐恵が辛いのに気づけなくて…」
「当たり前じゃない。お医者さんだって検査しなきゃ、分からないんだもの…。でもね、葵ちゃんが来てくれるだけで、佐恵も少しだけど元気になるの。」