Best friend
−転校生−
「はーい。席についてー。今日は新しい仲間を紹介します。」
担任加藤の言葉で、クラスはざわついた。
内心、私も気になった。
「荒川くーん、入って。」
「どーも、荒川康輝です。よろしくお願いします。」
自己紹介が終った途端、あちらこちらから
「かっこいいー!」と言う声が聞こえる。
確かに荒川康輝くんはかっこいい。
私は席が私の隣じゃないことを祈った。
「じゃあー、席は葵さんの隣でいいわね。」
不運にも、席は私の隣になった。
もちろんブーイングの嵐。
「なんで葵なんですかー」
「意味分からんしー」
もうやめてよ………
私何もしてないのに…。
「葵って言うんだ。よろしく。」
「あ、うん。よろしく。」
うー…女子の視線が痛いほど感じられる。
そんなこともお構いないなしに康輝くんは話しかけてくる。
だからといって、初めて会った人に「話しかけないで」なんて言えるわけない。
いくら私でも常識ぐらい知っている。
「あのさ、気のせいならいいけど…嫌そうな顔した?何か悪いことした??」
「え??してないしてない!!気のせいだよー!」
私はそんなに顔に出てるのだろうか…。
直さなきゃな。
「あーおーいーっ!」
HRが終わり、走って私の所に来たのは
佐恵。佐恵は大の面食いなのだ。
「あの!私佐恵です!!」
「あー、よろしく!」
「はい!よろしくです!!」
すると、康輝くんの所に由美達が来た。
由美も佐恵と同じく…面食い。
「康輝ー!私、由美!!よろしくー♪」
うわっ、馴れ馴れしい……
ふと康輝くんを見る嫌そうな顔をしていた。