詰めていく箱
人為
口を鎖したまま
忘れた声を張り上げる
忘れた言葉
成り立ちしか憶えず
「人の為に偽となすか」
無理して涙垂らした
意味ない孤影
どこへ消えたの
月のない夜
あたりがしん、と静まって
360゚→×
何処へゐつた
540゚→〇
月を喰らう月蝕
五つの世界にちりばめた
煌めいた月々は108゚を保ち
放物線を画いて軌道を視せた
月初には陽は浮かばぬ
神隠しか?
違うわ、視ないだけ
目の前に逼っている
切迫した光見えぬか
真見えた欠片
掴み損ねたのか
なんと間抜けな偽者-レプリカ-だ!
侘しさかつてに感じて
剥製-ヒト-に息吹を吹き掛けるか
それも世ゐだろう
そうやつて
喰われて往くのも識らずに