化学室のノート【短編】



大好きなひとが




机の下にノートをしまい、




ゆっくりと
化学室の扉を開けて出て行った。




春が近いことを物語るような
優しい日差しが




カーテンのすき間から
溢れるように洩れてくる。




薄暗い化学室の中。




机の下には
あなたと私の会話記録。




忘れようといったけど、
きっと何度だって思い出す。




あなたと私の
切なくなるような愛しい日々と共に。





END.






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