ツインテールの呪縛


ふと、にいちゃんが唐突に言った。



「あれ、美保って髪耳にかけてたっけ?」



ギクリ、と一瞬身体の全筋肉が金縛りになったように固まったのが分かった。


さすが、家族だけあってよく見てる。



耳に手を添えて確かめると、確かに髪が耳にかけてあった。

たぶん、颯太が髪を触ったときにかけたのだろう。



何となく不快感が思い出されて、忘れようと被りを振る。


「何となく。邪魔だったから、ごはん食べるのに」

「そう」

「うん、そう」

「…そっか」

「うん…」

「そっかぁ……」

「…?」


何でそこまでその話題を引っ張るのだろうか。


にいちゃんはどこか腑に落ちないというような顔をしてあたしの耳を見ていた。



「可愛いね、それ」


………。



……………。




……来たアアア!!オタク発言!!バレた途端に妹萌えの頭角を現した!?



無意識に眉間にシワがよるのが分かった。

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