間愛のつめかた


不味かった──というわけではない。


断じて!

留玖が作ってくれたものが、不味いわけがない。


だが、

しかし、

だが、

しかし、

だが、


──味が──おかしかった。


あれ?

それは不味いということになるのか?

いやいや違う!
そんなわけあるか。


自分でもわけがわからなくなったが──


留玖が作ってくれたこの料理は、つまり、その……


無言で、
鬼之介や隼人と顔を見合わせた。


この時俺たちは、

互いの頭の中にある言葉を、文字に書いてあるかのように理解できた。



留玖が作ってくれたこの料理は……──


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