この想いは叶わない-ノンフィクション
あの日から、もう、辰矢先輩とは会うこと
もなく、メールすることもなく、話すこと
もなかった。
でも、離任式のとき、辰矢先輩に、最後に
会うことができた。
でも、それは、それでよかったのかもしれない。
もしかしたら、今日最後に会ったから、辰
矢先輩のことを本当に最後のあきらめがつ
いたから
そして、私は勇気を出して、辰矢先輩に話し掛けた。
ゆ「辰矢先輩。名札か第二ボタン、下さい。」
辰「あっ、ゆりな。いいよ。特別に、両方
あげる。」
ゆ「ありがとうございます。」
辰「いいへ。」
ゆ「では。」
辰「おう。」
これは、最初で最後の神様からのご褒美だ
ったのかもしれない。