好きです。
木村先輩は違う強いチームからも
オファーを受けているみたい。
何で行かないんだろう......??
そりゃ先輩と一緒にいたいからいいんだけど、
気になって聞いてみた。
「先輩!お疲れ様です」
「おっ!今日もお疲れ!」
「先輩。」
「ん?」
「オファー受けてるんですよね?」
「...あぁ。秘密にしてたのに、
すぐ広まっちゃったなぁ~」
「何で先輩はサッカーが好きなのに、
強いチームに行かないんですか?」
「...えっ?」
先輩はきょとんとする。
「あ!私は先輩にいてほしいですけど!」
「ああ、いや...うん。
確かにサッカー強くなりたいけど、
強くなるためにサッカーしてるわけじゃないから。」
今度は私がきょとん。
「俺がしたいのは、楽しいサッカーなんだ。」
「楽しいサッカー...」
「そう。みんなと少しでも長く
サッカーしてたいんだ。
みんなサッカーがスゴイうまいって
訳じゃないけど、
みんなサッカーが好きっていうのは一緒だから」
「みんなも好きってことですか?」
「そう!もちろん試合で勝ったら嬉しいけどね!
だから今度の県大会に向けて、
みんなでハードに練習して、
日頃頑張ってくれてる夏樹ちゃんを
全国大会に連れてくからな!」
先輩はムキッと腕に力こぶを作って見せ、
太陽のような笑顔で、
笑った。