舞風─君をさがして─
「行ってきます〜」

元気よく家を飛び出すととにかく走った。
ここから学校まで全速力で十分……なんとかギリギリ間に合うかなぁ。
いや、
間に合わせてみせる!!







あとは桜並木が続く坂を登りきれば……
だが今はこのキレイな桜にみとれている余裕はない。


「あともう少し」


腕時計の針の位置だけ確認し、
そのままスピードはゆるめることなく走り続けた。

間に合うか間に合わないかの瀬戸際の緊張感の中、
走り続けることは容易ではない。
息苦しさと緊張によるドキドキ感とで、
今にもこの場に倒れそうになっていた。


……誰か……いる……!?


「ダメだ!三秒の遅刻は見逃すわけにはいかない。例え一秒でも遅刻は遅刻だ」

どうやら校門の前で生徒同士が揉めているようである。
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