愛の奇跡。
挙動不審で、ひどく頼りなげな表情。
僕の知ってるのぞみは…いつだって堂々としてた。
怖いものは何もない、っていう風に凜とした雰囲気を持っていた。
けど…今の、のぞみは…まるで別人。
「…ごめんなさい…本当に解らない。…自分の事も…今まで何をしていたのかも…。私を、知ってるんですか…?」
本当に…僕の事忘れちゃったの?
記憶喪失…?
そんな…!!
再会の喜びがガラガラと音をたてて崩れていく。
「直樹!輝本直樹(てるもとなおき)だよ…!覚えてるでしょ!?忘れたなんて…っ言わな…いでよ…!!」