愛の奇跡。


「直樹っ!!」



ハッと我に返って直樹に駆け寄った。


仰向けにして頭を膝の上に乗せる。



「直樹…っ直樹……っ」



声をかけるしかできない私。


いつも、どんな時でも落ち着いていた私なのに…頭が真っ白で。


どうしたらいいのか解んなくて。


ただ…名前を呼ぶことしかできなかった。





SIDE/直樹



のぞみの悲しい叫びの後、沢山の銃弾の音が聞こえた気がした。


だんだん意識が遠くなっていく中、聞こえたのは…のぞみの声。



「直樹…っ!」



その声で、僕はうっすらと目を開けた。



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