愛の奇跡。


「ジョーカーちゃん!帰ってきてくれたのね…!!」



ドアにちょっと寄りかかって顔を出した私の姿を見て、教授が嬉しそうな顔をした。


私は屈託のない少女のように笑ってやった。



「ただいま、教授。そして………バイバイ。」



天使の笑顔から悪魔の笑顔へ。


そしてすかさず銃を構え、ためらいもなく引き金を引く。



ガウン―――ッ



もう、何も感じなかった。


直樹が死んだ事で、心が壊れちゃったんだと思う。



悲しい銃撃の音が、夜の街に響いた――。






私は一晩で組織の本拠地を壊滅させた。



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