愛の奇跡。

最後に建物を爆発させて、直樹の元へ向かう。



「お待たせ。直樹。」



私は、指輪がつけてある直樹の左手と、同じ指輪がつけてある自分の左手を重ねた。


そして、指を絡めるようにしてしっかりと繋いだ。


直樹の顔を見つめる。


多分…君は、私には生きて欲しいと最後に伝えたかったんだと思う。


自分はすぐ生まれ変わってくるから、と。


でもごめん、できそうにないよ。


“一人にしないで”と泣いた君。


それは…私も同じなんだよ。



「…私も行くよ…一人にしないで、直樹。」



< 129 / 144 >

この作品をシェア

pagetop