愛の奇跡。


目の前に、直君の心配そうな顔があった。


そして転がってるお鍋。


そっか…棚、閉めてなくて…鍋落ちてきたんだ…。


それを直君が庇って…。



「大丈夫?怪我してない?」



すごく心配そうに覗き込んでくる。



「私より直君が…。」



鍋、直撃したと思うんですけど。



「僕は大丈夫!のぞみ、どこも怪我ないね?」



「う…うん…。」



必死な直君に思わず頷くと、直君はホッとしたように笑って私を抱き締めた。

「良かったぁ~!のぞみが無事で。」



優しい温もり。


ふわ…っと甘い香水の良い匂い。




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