愛の奇跡。
そう言うと、視線を落として。
顔が曇った。
「…どうしたの?何かあった?」
変だ、のぞみ。
家へ来て一週間、こんなに沈んだのぞみを見るのは初めてだ。
「…んーん、何もないよ。何も変わりはなかったよ。ご飯できてるから手、洗ってきなよ。」
笑っていつも通りに言ったのぞみ。
だけどその笑顔は無理矢理な感じがした。
…目元が少し腫れてる…?
「のぞみ、何で泣いてたの?何か思い出したの?」
以前も…君はいつも一人で泣いていた。
誰にも、何も言わずに。