愛の奇跡。
今、まだ撮影中のドラマだった。
ラブストーリーだから、のぞみには見られたくなくて、言わなかったんだけど…見ちゃったんだ。
「どうだった?すごくラブストーリーだからちょっと見られちゃって恥ずかしいなぁ~っ!」
テンパって、早口になる僕。
「……嫌だった。」
「…ふぇ…っ!?」
「直君が、女の子とキスしてたの見て…嫌だった。」
だんだん小さくなっていく、のぞみの声。
だけど…それって、もしかして嫉妬してくれたの?
妙な感動があって、胸がじーんと熱くなっていく。
「もしかして…それで泣いてたの…?」