愛の奇跡。
僕が問うと、何も答えない。
パッと視線を逸らして…俯いた。
「…ねぇ、私…直君のこと、好きだったの?」
のぞみの言葉に、ドキドキした。
本当の事を話してもいいんだろうか?
キスシーンを見て泣いた君。
記憶はなくても…のぞみはもう一度、僕を好きになってくれたんだろうか?
「…今の、のぞみは…?どう思う…?」
臆病な僕は、反対に聞き返してしまった。
「…解んないから聞いてるんじゃん。でも…胸が痛い。あのドラマ、嫌だった。すごく…っ」
また、だんだん声が小さくなって…そして語尾が掠れた。