愛の奇跡。
警察や救急車を呼んだ方がいいのは解ってる。
事務所と、のぞみの家族に連絡しなきゃいけないのも。
…でも、できなかった。
だって…やっと帰ってきたんだ。
ずっとずっと、待ってた。
会いたくて会いたくて会いたくて…潰れそうだった。
僕は…のぞみを独り占めしたかった。
「……ん…。」
ベッドで寝かせていた、のぞみが目を覚ました。
少し垂れ目な瞳がゆっくりと開いた。
「気がついた?良かった…本当に…。」
再開できたことが感動で、胸がいっぱいで上手く言葉が出てこない。