ダークエンジェル
「龍彦、そんな言い方はするな。
お前が嫌っていたのは分かるが、
骨になってしまえば皆仏さまだ。
父さんは楽しかった。
ああ、確かに初めは… お前の事は気になったが、
こうしてお前には水嶋君が出来たじゃあないか。
考えてみれば、父さんはそれが一番だと思っている。
ああ、龍彦にとっては独立心が生まれたのだから、
父さんはそれが嬉しい。」
「だけど… 」
「でも、おじさんは義母さんのこと、
どのぐらい分かっていたのですか。
結婚届けを出す時には戸籍がおかしい、とは思わなかったのですか。
すみません。よそ者の僕がこんな事を…
でも、あの時、刑事が病室に来て…
リュウが知らない、と言うのに
しつっこく聞いてきたものですから。」
「思ったよ。
だけど私は気に入ってしまった。
反面、龍彦は異様な反発を見せたけどね。
25歳も年上、
12歳の子持ち、
冴えない国文学をしているような男に、
愛だの、恋だのなんていう言葉、
初めは不信感でいっぱいだったよ。
だけど、その内に、その響きに酔ってしまったのかなあ。
昔、ソフィアと出会った頃を思い出してしまった。
そう、顔を見るたびに感じる胸の高鳴りって言うのかなあ。
元々自分には縁のない感情、と思っていた。」
信秀はリュウをチラッと見、
苦笑しながら水嶋に話している。
「本当に愛して結婚したのですね。」
「戸籍の事は知っていた。結婚する前から… 」
「それで弁護士さんに… 」
「まあ、私と龍彦とはかなり年齢差がある。
私に何かあった場合の事を考えた。」
「じゃあ、遺言書に何を書いたの。
遺言だなんて… 」
リュウがいきなり声を出した。
「ああ、それで怒っているのか。
まあ、今となっては言う事も無いが…
かずらたちの事だよ。
私に何かあったら、
お前にあの2人を頼んだんだ。」
「でも、おじさん、
あの2人は義母さんの子供ではないかも知れませんよ。
出生届がどこにも出ていなかったって言う事です。」
水嶋も知りえた知識を出している。
お前が嫌っていたのは分かるが、
骨になってしまえば皆仏さまだ。
父さんは楽しかった。
ああ、確かに初めは… お前の事は気になったが、
こうしてお前には水嶋君が出来たじゃあないか。
考えてみれば、父さんはそれが一番だと思っている。
ああ、龍彦にとっては独立心が生まれたのだから、
父さんはそれが嬉しい。」
「だけど… 」
「でも、おじさんは義母さんのこと、
どのぐらい分かっていたのですか。
結婚届けを出す時には戸籍がおかしい、とは思わなかったのですか。
すみません。よそ者の僕がこんな事を…
でも、あの時、刑事が病室に来て…
リュウが知らない、と言うのに
しつっこく聞いてきたものですから。」
「思ったよ。
だけど私は気に入ってしまった。
反面、龍彦は異様な反発を見せたけどね。
25歳も年上、
12歳の子持ち、
冴えない国文学をしているような男に、
愛だの、恋だのなんていう言葉、
初めは不信感でいっぱいだったよ。
だけど、その内に、その響きに酔ってしまったのかなあ。
昔、ソフィアと出会った頃を思い出してしまった。
そう、顔を見るたびに感じる胸の高鳴りって言うのかなあ。
元々自分には縁のない感情、と思っていた。」
信秀はリュウをチラッと見、
苦笑しながら水嶋に話している。
「本当に愛して結婚したのですね。」
「戸籍の事は知っていた。結婚する前から… 」
「それで弁護士さんに… 」
「まあ、私と龍彦とはかなり年齢差がある。
私に何かあった場合の事を考えた。」
「じゃあ、遺言書に何を書いたの。
遺言だなんて… 」
リュウがいきなり声を出した。
「ああ、それで怒っているのか。
まあ、今となっては言う事も無いが…
かずらたちの事だよ。
私に何かあったら、
お前にあの2人を頼んだんだ。」
「でも、おじさん、
あの2人は義母さんの子供ではないかも知れませんよ。
出生届がどこにも出ていなかったって言う事です。」
水嶋も知りえた知識を出している。