聖なる華



「わかっていただけました?では、さっさと歩いてくださいませ」



その言葉に素直に応じる私はいったい何なんだろう?




「スイレ、今からでもひき返してはだめ?」



「いけません。というか、なんのために来たのですか?女は度胸です」



だよなぁ、別に『そうですね、帰りましょう』と言われるなんて期待していないが。




というか、そう言われたら逆に何か裏がありそうで怖い。



これから先、私はきっとスイレには勝てないだろう。いろんな意味で。



私たちは城の中に入ると、今まで一言も喋らず先導していたゼネマス国の従者が初めて口を開いた。




「レイア姫、これから直ぐにアンレス様にお会いしていただきます」



「これからですか?レイア様は長旅でお疲れです。少し休ませてくださいませ」



殺気を少しだしながら、でも見事な笑顔でスイレは従者に言った。




「なりません。アンレス様のご命令ですので」



きっぱりと、言い放つ彼はきっとただものじゃないだろう。







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