聖なる華
まぁ、そんなに嘘はついていない。
毒を盛られたのは本当だからな。
「そんなことよりも早く陛下を運んでくださいな」
「はい」
従者が返事をするとすぐに陛下の自室へと連れて行かれた。
「レイア様、私たちも部屋にもどりましょう」
「ええ、そうしましょうか」
部屋までの道をずっと私たちは無言で歩いた。
部屋に入り、
「レイア様のとられた行動は正しいです。が、あの言い訳は少し苦しいように思えます」
「やっぱりそうか?でもなぁ、他に言い訳が思いつかなくてな」
仕方ないだろう?
そもそも、毒の解毒剤を持った王女がどこにいるっていうんだ。
あ、ここにいたな。