聖なる華



「なぜ、こんなところにタヌキの置物をチョイスしたんだ・・・?」




「まったくです。王妃様が見られたら癇癪ものです」




確かに。



母上がこのタヌキの置物を見られたら癇癪をおこしてタヌキを木端微塵にしかねない。




想像しただけで恐ろしい・・・




そのあとのとばっちりは絶対にこっちに来るはずだ。




「まぁ、庭はだいたい見て回った。そろそろ皆起きるだろう。部屋に戻ろう」




「そうですね。そろそろ戻らないと見つかってしまいますよ」



「ああ、そうだ・・・・・・・」



返事をして・・・・後悔した。




「えっと、陛下?おはようございます。いい朝ですわね」




「お早うございます。今更演技しても遅いですね」




なぜ!!なぜ気付かなかったんだ・・・




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