聖なる華
「そういえば、毒を盛った犯人は見つかったんですか?」
「いえ、いまだに見つからないんです」
彼の目は私を疑う目だ。
命の恩人に向かって無粋だ。
「私を疑っているんですか?もし私が犯人ならアンレス様の命を助けたりなんて馬鹿な真似はしませんわ」
私はそう淡々といい、席をたった。
「そうでしょうね、それは分かってました。で、何処に行くんですか?」
「御覧の通り私は食べ終わりましたわ。ですから部屋に下がらせていただきます」
そう言い放ち背を向ける。
「レイア様、ご同行します」
軽くうなずき速足で部屋に戻った。