聖なる華
レイシンを探し始めて直ぐに見つかった。
否、声をかけられた。
「レイア、久しぶりだね?まさか、君が結婚するとは思わなかったよ」
「まぁ、それはどういう意味で?私だって結婚くらいしますわ」
相変わらず嫌味な奴だな。
「ここではなんだし、テラスにでも出る?」
「ええ、そうしましょう」
さっき、アンレスにテラスに行くと言ってしまったが・・・
まぁ、大丈夫だろう。
遅くならなければいんだし。
「行きましょう」
この時の私は、随分アンレスを甘く見ていたんだ。
この判断が、自分を苦しめる判断になるとは全然まったくもって考えてもいなかった。