聖なる華



「一人で行きます。たった一人の最愛の妃を迎えに」




にっこりと微笑めば、顔を赤らめて見つめてくる者や、悔しそうに顔をゆがめる者。



「俺の生涯の伴侶はレイアだけですから」




そう言い残しテラスへ向かう。



「レイア・・・?」



一人でいると思っていれば、知らない男と楽しそうに談笑しているレイア。



ここからでは、話の内容は聞こえませんが楽しそうですね。



こんなところで浮気ですか?




立ち止りのんきに見つめていれば・・・・




「ッ!!」



男に腕を引っ張られ、あっけなく男に抱きしめられるレイアを見て、無性に苛立ってくる。



「何をしているんですか?レイア・・・と?」



「いや、あのこれは・・・・」



弁解をしているレイアの隣で不敵に笑っている男を見て、レイアの弁解など聞く余裕などありませんでした。









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