いのり


ミカの一言が
胸の奥に深く突き刺さっていく。



部屋に戻り、出かける準備をしながら考えた。



【恋】ってなんだろう。



今まで恋愛なんて全く無縁なことだったから…

どんな気持ちを恋と呼ぶのか
あたしにはまだわからない。



ただ

ハルといる時間は、
すごく大切な気がする。


ハルといると
たくさん笑うことができて、

本当の自分でいられる気がする。



そして

誰よりもハルをわかってあげたいと思ってしまう。



眩しい太陽のようなハルの笑顔に胸の高鳴りを覚えるたび


【感情を捨てろ】


というKの言葉が脳内をよぎる。


同時に、胸の高鳴りは

痛みへと変わる。



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